エレガントな毒

先日、床屋さんに行ったら「うちの電動自転車が壊れて使えないんです。」と言う。
聞けば高校生の娘さんが近所の横断歩道を自転車で走ってて右折してきた軽自動車にはねられたそうだ。
彼女は、飛ばされて軽自動車のフロントガラスに乗り上げ、ガラスはメチャクチャに割れてしまったらしい。
ただ、不幸中の幸いで打撲や擦り傷はあったものの大事には至らなかったそうだ。

ここで厄介なのは、事故を起こした軽自動車が床屋のお客様だった事。
ほぼ10対0で軽自動車が悪い(横断歩道を自転車で乗って渡ったのは自転車にも若干過失あり)のに、事故後散髪に来たこのお客様。
「すみませんでした」の一言もなく帰って行ったと言う。
それどころか保険の話も進まず、自転車の修理代すらまだもらえる保障もないので修理できないと言う。
「なんで文句言わなかったのですか?」と言うと…
「お客さんやし、近所の人やからよう言わんかったんです。」と言う。
大阪人やったらハッキリもの言うと思うけど…
さあ、ここで京都人のアイデンティティが邪魔をするようです。

ただ、床屋のマスターはまだ若い京都人。
おそらくベテランクラスならこう言うだろうと言うのが読んでて浮かんでくる京都人の毒の吐き方が載っているのが「エレガントな毒の吐き方」(中野信子著)
この本「あこがれの町家ぐらし」に使えるネタ満載でした。

さあ、そのベテラン京都人なら…
「いやぁ、うちの娘が乗ってた電動自転車、保険がおりへんよってにまだ修理せんと、あの通り店の前の飾りになってますねん。おたくの軽自動車もフロントガラスバリバリに割れたまま乗ってはりまんのか?」
言いそうでしょ。