あの日の想い

【大阪天満宮】の北隣の建設現場。
工事の進み具合をたびたび見に行った。
もうすぐ毎日落語ができる。
自分たちの寄席ができる。
ワクワクした。
【天満天神繁昌亭】のオープン。
できてからは毎日様子を見たくって、毎朝お散歩がてら繁昌亭前にある【喫茶ケルン】さんにコーヒーを飲みに行った。
商店街も活気づいてきた。
出番の時は、落語の定席が近くにオープンした事を知ってもらうために、いつも着物で商店街を歩いて繁昌亭にむかった。
幟を持って、ハッピを着て、交差点まで出てビラを撒いて情宣した。
今まで全く落語に興味のなかった人たちにいかに落語の楽しさを知っていただこうかと頑張った。
京都に移り住んで、ちょっとその熱が冷めた。
そしてコロナ。
いろんな落語の魅せ方や伝え方が出て戸惑い。
あの頃の情熱がさらに冷めていった。
けど…
コロナ禍とは言え経済活動が戻ってきて、高座に上がる機会も増えてきた。
生で落語を聞いていただける喜び。
笑っていただける幸せ。
冷めてきていた落語への情熱が、再び湧いてきた。
高座は最高だ。
たぶん、多くの落語家が高座の素晴らしさを、コロナで再確認したと思う。
あれから16年。
『天満天神繁昌亭大誕生祭』
上方落語協会の落語家が日替わりで出演する。
みんなイキイキした高座を務めるはずだ。
もちろん私も。
是非、お越し下さい。
ひょっとして、今一番活気のある高座を魅せてくれると思います。