幸せの寄席提灯

師匠文枝が手がけている『産地直笑』大阪24区の創作落語21作目は【天満天神繁昌亭】も【天神橋筋商店街】もある北区でした。
会場の【大阪北区民センター】は超満員。
楽屋へ師匠を訪ねるとなぜか【天満天神繁昌亭】にいつもある赤の人力車が来ていました。
今回の落語は「幸せの寄席提灯」繁昌亭の創設物語でした。
師匠だからこそ語れる物語。
【天神橋筋商店街】を赤の人力車に三代目桂春團治を乗せて当時の上方落語協会会長の三枝(現六代桂文枝)がひっぱり六丁目から1丁目までお練りをしている途中に三丁目の和菓子屋【薫々堂】さんの前に差し掛かると店頭に大きく掲げてあった先代桂文枝師匠の写真の看板。
そこには「おめでとうさん」とさも先代文枝師匠がおっしゃっているかのように書かれていました。
大師匠は、落語家悲願だった寄席小屋ができる前年に亡くなられたのです。
落語の途中でこのシーンが来ると、なんと当代の桂春團治師匠を乗せた人力車を小文枝師匠がひっぱって場内を横切りました。
懐かしいなぁ…
今まで所属事務所の違いから会った事のなかった落語家と同じ出番となり、笑いの量で絶対負けないとお互いが鎬を削ったいい時代。
最近は寄席がある事が当たり前になってしまって怠慢になっている落語家への戒めにもなる噺でした。